開催概要

「音楽で、奈良を元気に」

音楽祭「ムジークフェストなら」は、そんな思いから2012年にスタートし、今年で11回目を迎えます。「文化の振興」を通じて、「地域の振興」につなげるとともに、コンサートに出かけて音楽を楽しんでいただくことで、県民の皆様と奈良を訪れる方々の心身の健康増進につながることを願っています。この音楽祭を通じて皆様に幸せと喜びを届け、音楽祭に出会われた方々が更に、心豊かに、元気になられることを期待しています。
「ムジークフェストなら2023」は、これまでの『春』に加え、四季を通じた開催に新しく生まれ変わります。春は “ムジークフェストならの幕開け”、夏は“音楽で夕涼み”、秋は“屋外で気軽に”“食と音楽”、冬は“ムジーク納め”をそれぞれのコンセプトに、社寺や音楽ホール、街中のカフェなど県内各地の様々な場所でコンサートを開催します。ファミリーコンサートや、ＦＭ802とコラボレーションをした若者向けコンサートのほか、クラシックやジャズコンサートなど、こどもから大人まで幅広い年齢層の皆様方にお楽しみいただける内容となっていますので、ぜひお越しください。
奈良の魅力と音楽の素晴らしさをより多くの皆様方と共有し、国内外に誇れる奈良の音楽祭として、四季を通じ開催してまいりますので、今後ともご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、開催にあたりご尽力いただきました皆様方に心より感謝申し上げます。

ドイツには「誰かが歌っていたら一緒に腰をおかけ。悪人は歌わないから」という古いことわざがあります。この言葉には音楽の精神についての深い叡智があります。音楽のこころは多くの場合、教養と人間らしさのしるしだからです。
「ムジークフェストなら」は10年以上にわたり、洗練され友好的な独日の交流を体現する素晴らしいしるしとなってきました。日本において、ドイツのクラシック音楽は音楽愛好家だけが尊び大切にするものではなく、ずっと昔から広く市民により高いレベルで理解され、数多くのアーティストにより演奏されてきました。これほど多くの合唱団やオーケストラが（プロだけでなく、熱意と才能にあふれたアマチュアも含めて）ドイツ音楽に取り組んでいる国は、世界でも日本をおいて他に知りません。
ですから大いなる芸術の祭典であるこの音楽祭に「ムジークフェスト」とドイツ語で名称がつけられているのも、偶然ではありません。ドイツのクラシック音楽と悠久の歴史をもつ奈良の伝統との結びつきは、この音楽祭をとりわけ印象深く無二の存在として際立てていると思います。日本の豊かな歴史と文化の根源であるこの地に、ドイツの音楽が響くのです。まさに夢のような取り合わせではありませんか。
ムジークフェストならにはもう一つ、私が同じく高く評価している特別なものがあります。「プロースト！ムジーク」は、食欲も満たされ、人々が楽しく集って最高の意味で人との近さを感じることができる催しです。つまるところドイツ人と日本人を結びつけているのは音楽への特別な愛情だけでなく、食べること飲むことを楽しみ、それぞれの国の食を楽しむことも同様なのです。
独日の友情と絆をあらわす素晴らしい祭典「ムジークフェストなら」を開催される奈良県知事そして実行委員会の皆様にお礼申し上げます。今では季節を問わず音楽の催しが開かれ、それによってさらに多様で刺激に満ちたものとなっていることはとても喜ばしく、この音楽祭が人々に愛されていることの証でもあります。 主催者の皆様、出演者の皆様、ムジークフェストならを訪れる聴衆とファンの皆様が、心満たされる幸せなひとときを過ごされますようお祈りいたします。今年もこの音楽祭が、我々両国の人々の深い絆を表すしるしとなることを願います。