ピアノとチェロを、ならまちで　～ハンガリーの風にさそわれて～ Dohnányi 2023 Project 奈良公演

ピアニスト、指揮者、音楽博士

　静岡県島田市出身。奈良教育大学音楽教育講座准教授（ピアノ）。
　2017年、リストの世界的権威であるレスリー・ハワード氏が審査委員長を務める、リスト協会国際ピアノコンクールで優勝。氏に音楽性とその才能を認められた。アンサンブルでは、2021クララ・シューマン国際コンクール室内楽プロフェッショナル部門第2位などの受賞歴を持ち、国内外でソロ、アンサンブルを問わず評価されている。また、2019年にはシリングスフュルストにて開催されたLiszt Festivalにおいて、リストの演奏に対してメダルを授与された。平成30年度島田市芸術文化奨励賞受賞。

　静岡県立藤枝東高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。大学3年次に短期留学奨学金を得て、フィンランドのシベリウスアカデミーに留学。ハンガリー政府Stipendium Hungaricum奨学生として、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学ピアノ科修士課程をナードル・ジョルジ、ファルカシュ・ガーボル各氏の指導のもとで首席修了。帰国後は東京音楽大学大学院博士後期課程において、村上隆、ファルカシュ・ガーボル、川上昌裕（以上ピアノ）、村田千尋（音楽学）の各氏に師事。2021年にドホナーニ研究で博士号（D.M.A.）を取得した。ドホナーニ直系の流れを汲む日本人唯一のドホナーニ研究者として知られている。
　また、ピアノ協奏曲の弾き振りをしたいという思いから指揮を学び始め、2015年にピアノ協奏曲の弾き振りで指揮者デビュー。以降、ピアノ協奏曲の弾き振りをライフワークとし、国内外を問わず様々な指揮活動を展開している。近年は新曲（世界初演）の指揮にも力を入れており、これまでに30曲を超える新曲を指揮してきている。指揮を野口芳久、ノーティス・ゲオルギオウ、ガール・タマーシュ、三河正典の各氏に師事。
　現在、演奏や研究に加え、室内楽セミナーの音楽監督やコンクール審査員などの教育活動などを幅広く行う。また、音楽之友社『ムジカノーヴァ』誌上にて、「ドホナーニの作品世界へようこそ」、「はじめてのドホナーニ教則本」の連載を担当するなど、日本におけるドホナーニ研究の第一人者として研究を続けている。ドホナーニ没後60年である2020年には、ドホナーニの普及を目指すためのプロジェクトである、「ドホナーニ・プロジェクト（Dohnányi Project）」を立ち上げ、以降精力的な発信を継続中。また、2022年に発売された、日本人初となるドホナーニの楽曲に特化したCD『ドホナーニの世界Vol.1』がレコード芸術特選盤に選ばれたほか、2023年度からはドホナーニ研究が科学研究費助成事業に採択されるなど、ドホナーニをめぐる演奏や研究への評価が高まっている。

　奈良市出身。秋篠音楽堂にてチェロに出会う。チェロを奈良にて城甲実子氏に、札幌にて川﨑昌子、フリーデリケ・キーンレの各氏に、東京にて松波恵子氏に師事。また2011、2016年、リスト音楽院セミナーにて、ミクローシュ・ペレーニ氏のマスタークラスを受講。
　市立札幌旭丘高等学校を経て、東京音楽大学器楽チェロ専攻卒業。在学中より、中学高校時代を過ごした札幌にて、アンサンブルピリカレラ室内楽演奏会を企画。また、ピアノ三重奏団Trio sisimy（トリオ・シシマイ）のメンバーとして、都内にて丸の内ミュージックフェス、森トラストランチタイムコンサートやPTNA学校クラスコンサート等に出演。
　高校より合唱を始め、大学在学中の4年間、チェロと合わせて、声楽を川原敦子氏に師事。学内オーディションを経て、大学合唱団員として、第1796回NHK交響楽団定期演奏会『ペレアスとメリザンド』や、日本フィルハーモニー交響楽団『第九』演奏会等に出演。また、在学中の4年間、邦楽コース筝専攻にも所属し、箏を滝田美智子氏に師事。演奏および学校訪問指導を行う。
　現在、奈良・京都から関西を中心にオーケストラへの客演、室内楽演奏会出演等の演奏活動を行うとともに、チェロクラスを開講。また、多様な音楽の学びをいかして子どもの成長に寄り添うことをライフワークとし、チェロ奏者としての活動と合わせて、言語聴覚士として子どもの発達支援および就学相談、シュタイナー教育教員として小学生クラスを担当する。日本言語聴覚士協会正会員。リトミック研究センター新宿本校卒業認定講師。近年の企画演奏会では、身体表現オイリュトミーとのコラボレーションや、チェロの弾き歌いの可能性も広げている。